福井県里山里海湖研究所

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里山里海湖の文化
  • 12月4日、三方湖の冬の風物詩である「たたき網漁」が始まりました。
    「たたき網漁」は、大正末期から伝わる三方湖独特の伝統漁法で、水温が下がり、魚の動きが鈍くなるこの時期に、竹で水面を叩いて魚を驚かせ、仕掛けておいた網に追い込んで獲る漁法です。

    解禁日の今日は天候にも恵まれ、地元の鳥浜漁協のみなさんが湖へ出航していきました。
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    長い竹で水面を叩くと大きな水しぶきが上がり、遠目からでもその迫力が伝わってきます。
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  • 若狭町気山の宇波西神社で8日、国選択無形文化財に指定されている神事芸能「王の舞」が奉納されました。大勢の見物人が見守る中で天狗のような面を身に着けた舞い手が笛と太鼓の音に合わせて勇壮で力強い舞いを見せてくれました。舞い手を倒すと豊漁になるとも言われており、舞い手を倒そうとする人たちとそれを防ごうとする警護役の掛け合いもあり、なかなか興味深い動きを見ることができました。
                                                    
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  • 12月6日 三方湖の冬の風物詩「たたき網漁」が始まりました。

    たたき網漁は、三方湖で伝統的に行われている漁法で、水温が下がり、魚の動きが鈍くなるこの時期に、水面を青竹でたたいて魚を驚かせ、仕掛けた網で獲る漁法です。主にフナやコイが対象で、地元では「かち網」(“かち”は方言でたたくの意味)とも呼ばれています。
    穏やかな天候にも恵まれ、地元鳥浜漁協の船5隻が、初冬の湖に出航していきました。 IMGP2643.JPG
    網を仕掛けた後、長い竹で水面をたたくと、大きな水しぶきが上がります。 IMGP2648.JPG
    この日は、解禁日ということで、多くの報道関係者も取材に訪れていました。 IMGP2653.JPG
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    【由来】(若狭町ホームページより)
     美浜町日向(ひるが)で、この水中綱引きが行われるようになったのは、江戸時代初期の頃であったと言われています。
     むかしむかし、日向湖と若狭湾をつなぐ運河に大蛇が出て川をふさいでしまい、舟が通れずに村人たちは大変困っていました。そこで村の識者に相談したところ、「蛇は自分より大きいものにおそれる性質がある。」というので、村人はワラで大きい綱をつくり運河に張っておきました。すると大蛇はその後出なくなり、村人は大喜びしました。そしてその縁起の良い綱に少しでも触れようとして海中で引き合ったのが、この水中綱引きの由来として今も語りつがれています。
     

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    寒風の中、たいこ橋の欄干の一番高い所で…。

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    次から次へと水中に飛び込みます。

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    綱を切ろうと競い合い、豊漁を祈願します。

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    綱を切ろうと競い合い、豊漁を祈願します。

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    11月27日と28日に内外海地区の田烏小学校で行われた「鯖のなれずし」の体験学習に参加しました。講師は森下佐彦さん、生徒は内外海小学校の6年生15名でした。鯖のなれずしは、この地域の晩秋から正月、春の祭りに欠かせないハレの料理です。材料として塩抜きしたへしこを使用する点が特徴です。薄皮をむいたへしこを、かすかに塩気が残るまで塩抜き(気出し)しますが、何時間水にさらすかの判断には熟練の技が必要です。塩抜きされたへしこを軽く酢につけてから、米・こうじを頭と背開きした胴体につめてから樽に漬けます。漬ける期間は気温に左右されますが、秋なら10日ほど、冬なら20日ほどが目安だそうです。水分が樽の内蓋からあふれ、表面に「しらとり」がついてからさらに何日か漬け込むと完成です。
    森下さんいわく、鯖のなれずしを作るには、暑すぎてもダメ、寒すぎてもダメで、ちょうどこの地域の風土がぴったりだということです。へしこを作るだけでも手間なのに、さらに手間暇をかけてなれずしを作るのは大変な作業だということを強調されていました。魚の塩漬けや塩干魚は世界の沿岸各地でみられる食材ですが、それを塩抜きしてさらに漬け直すというのは大変珍しい食文化だと思います。
    冷蔵設備がない時代の保存食であればへしこで充分であったはずです。しかし、そこからさらになれずしにまで工夫し、この地域にしかない固有の味を生み出したことで、鯖は保存食から郷土食への発展をとげました。このような価値が認められ、内外海地区の鯖のなれずしは2006年にスローフードジャパン(Slow Food Japan)から食の世界遺産ともいわれる「味の箱舟(Ark of Taste)」に認定されています。
    今回のなれずし体験に参加した内外海小学校の子供たちも、実際になれずしを作ってみてその大変さを実感していました。なれずしとして食卓に並ぶまでに、危険な海で鯖をとり、へしこに加工し、さらに、なれずしに漬けるという大変な手間がかかっていることを知ることにより、食べ物そしてそれを作ってくれた人への感謝の気持ちが子供たちに芽生えることでしょう。これこそまさに食育の本質だと思います。
    鯖のなれずしというこの地域に親しまれる食材を使うことで、子供たちも実感をもって、自分たちの故郷が世界に誇る食文化を学ぶことができたと思います。なれずしを次世代に伝える森下さんたちの活動によって、郷土食のなれずしが伝統食となり、いつまでも受け継がれてゆくことを願います。
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     以前の名称「歴史民俗資料館」から「歴史博物館」に改め、本日(18日)リニューアルオープンしました。館内は「若狭のみほとけ」「若狭の祭りと芸能」「若狭のなりたち」「若狭から都への道」「若狭への海の道」の5部門に分かれています。若狭地方は昔より「都」(奈良・京都)との交流が行われてきた地域だけに、多くの仏像をはじめ、現在まで伝えられている「祭り」や「神事芸能」など、それぞれに見ごたえのある展示となっています。
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      和久里壬生狂言は、子年と午年に行われている伝統行事で、今年は4月11日~13日に開催されました。12日(土)に取材しましたが、大勢の見物客で立ち見客が出るくらい賑わっていました。この狂言は京都壬生寺で行われている狂言の流れをくむもので、9つの演目があります。京都壬生からどのように伝わったのか明らかではないそうですが、京都では演じられなくなったもの(「狐釣り」など)が残っているそうです。京都と若狭地方は昔から文化の交流が多くあり、この和久里壬生狂言も地域の方々の手によって大切に伝承されてきたものです。
     舞台や配役(演じる人・囃子)もすべて区民の手によって運営されており、会場全体には見物客も一体となった温かい雰囲気が漂っていました。素晴らしい演技には「おひねり」が投げ込まれ、また子どもたちは演目の途中で「お菓子が撒かれる」ことをちゃんと知っていて、 その場面が近づくと、舞台の前に大勢集まってきました。(右下写真) 6年ごとに開催されるこの狂言を地域の方々が本当に楽しんでおられました。
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     昨日は好天に恵まれ、神社の境内は多くの見物客で賑わっていました。神社に奉納された「王の舞」は豊漁・豊作を願う勇壮な舞で、室町時代から続いているという伝統ある神事です。
     舞の後半部分で、「雀踊り」といってピョンピョン跳ねるような動作があります。これは、米をついばむ雀を表現しているそうで、豊作を祈願する意味があるようです。王の舞を演じる「天狗」の衣装が大変立派なもので、頭につけた鳥兜は、まさに舞楽を演じる人のようです。
     また「舞い手を倒すと豊漁・豊作になる」という言い伝えがあるらしく、舞い手を倒すべく押しかけた人を警護役が押し戻す場面もあり、大いに盛り上がりました。

     

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     朝、この季節にしては珍しく雪が降り、天候が心配されましたが、神事が始まる昼前にはとても良い天気になりました。今年は「白屋区」が当番を務め、「豊栄の舞」「王の舞」「獅子舞」「大御幣搗き」「神輿」などが執り行われました。
     このお祭りは、福井県の無形民俗文化財に指定されており、地域の方々が祭りを大切にされている気持ちがよく伝わってきました。子どもが舞った「王の舞」は堂々としていて大人も圧倒されるくらいでした。若狭地方をはじめ福井県には、このほか様々な祭りがあります。今後も紹介していきます。
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     和久里壬生狂言は、京都壬生寺の壬生狂言の流れをくむ無言の仮面劇です。子年と午年に行われる西方寺境内に建つ宝篋印塔の七年供養祭に奉納されています。演出・囃子・舞台小屋作りなど、すべて区民の手によって運営されていて、まさに手作りの狂言と言えます。この機会に是非足をお運びください。
    〇期間:平成26年4月11日(金)・12日(土)・13日(日)
    〇場所:福井県小浜市和久里 西方寺境内

     


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