厳しい暑さが続いていましたが、ようやく朝夕の風に涼しさが感じられるようになりました。
観察棟のまわりでも、赤とんぼが飛び回り、虫の声が聞こえています。これからの秋の深まりが楽しみです。
さて、観察棟では、「三方五湖地域の田んぼで農業者と行う コイ・フナの保全活動」と題し、研究員の活動をまとめ、8月30日~10月2日の期間で展示しています。三方五湖のコイやフナは、昔から冬場の食文化を支えてきました。コイやフナは、春になると川や水路を遡上し、田んぼで産卵を行います。田んぼは、エサが豊富にあり、敵に狙われることも少ないからです。ところが、稲作の効率を高めるために行った圃場整備のため、コイやフナが用排水路を通って遡上することができなくなっているのです。

(棟内での展示)
湖と田んぼの往来を取り戻すため、三方五湖自然再生協議会・湖と田んぼのつながり再生部会が立ち上がり、農業者と協力して、魚道を設置したり、シュロや人工産卵藻を使用したりして、コイやフナの産卵やふ化を助けています。今年の春に産まれた子どもたちは、地元の小学生の力も借りて、菅湖に放流する取り組みも行われています。
大きくなって湖に戻ってくることを楽しみに待ちたいと思います。

(田んぼで生まれたコイ・フナたち)