まだまだ寒さ厳しい毎日が続いていますが、そろそろ2月を迎えます。日の出や日の入りの時刻、太陽の高さなどが少しずつ変わってきています。三方五湖の岸辺の木々もそろそろ芽吹く構えを見せているようです。
これはコブシの木です。去年できた実がはじけて殻だけ残った枝には、毛をつけたつぼみがふくらみ始めています。
こちらはオニグルミです。まだ固いですが、大きな冬芽がおもしろい形を見せてくれています。
ソメイヨシノはまだまだ小さな芽ばかりです。弥生3月はまだちょっと先ですね。
ウメはつぼみがふくらんできました。やがて湖を取り囲むようにたくさんの梅の花が咲き誇ることでしょう。その頃には少しでもコロナが収まっているようにと、願っています。そのためにも感染対策を心がけていきましょう。
スタッフ記憶箱シリーズ⑤ オオバンです。
オオバンはクイナ科に分類されますが、クイナ科の中では大きく太っている鳥です。体も翼も黒く、額からくちばしまで白いのが特徴です。川や湖の上を首を前後に動かしながら進んでいく姿に、ほのぼのとしたものを感じます。
他の水鳥と同じように群れを作りますが、単独行動でえさとりもします。水に潜って水草や昆虫をとることができます。また、写真のように岸に上がって水際のコケをくちばしでこすり取って食べたりもします。
繁殖地は北日本、北東アジアからシベリアまでと広いですが、東日本以西では周年生息している場所も少なくありません。
ところで、オオバンの趾(あしゆび)には特徴があります。それぞれの趾から葉のように膜が広がっているのです。カモなどの趾に見られる水かきは、指と指の付け根に膜が張っています。オオバンは指の各関節の横から膜が広がっているのです。オオバンやカイツブリの仲間に特徴的で弁足と呼ばれます。
スタッフ記憶箱シリーズ➃ アオサギです。
日本のサギ科では最大級の大きさです。
頭部は白く、額の両側から眼の上を通って後頭までつながる黒色帯があります。後頭の羽毛は垂れ下がった冠羽になります。
陽の当たり具合によって印象は変わりますが、体は部分的にうすい青色がかった灰色が多く見られ、アオサギの名はその色合いに由来するといえるでしょう。
首は長く、嘴は黄色。飛んでいるときにキャッ、グワーなどの声で鳴きます。餌にする生き物の関係から、水田・湿地・川・湖沼・干潟などによく降り立ちます。年間を通じて高木の上にコロニーを作って営巣するのが普通です。
三方五湖でも、岸辺に降り立ち、集まってくる小魚の群れを長い首と嘴をうまく使って捕食する姿が見られます。
スタッフ記憶箱シリーズ③
三方湖畔で観察できる野鳥の中でも人気があるのがカワセミです。カワセミは、頭から背中にかけて鮮やかなコバルトブルーの羽毛を持ち、全長20㎝に満たない大きさですが、長いくちばしをもっています。
水辺の低い木や杭の上にとまって湖面に小魚が近づくのを待ち、タイミングよく水中に飛び込んで魚を捕えます。そして、すぐさま身をひるがえして元の居場所に戻ります。その野性的な動きは、見ている人の目をくぎ付けにします。
三方湖畔ではいつも出会えるわけではありませんが、運よく出会えたときにはちょっとした感動を味わえる鳥です。
三方五湖自然観察棟の下には鳥浜漁協の船揚げ場と桟橋がありますが、この写真はその桟橋の手すりにとまっているところです。
あとの写真も桟橋の杭の上と、すぐそばの木の枝にとまったところを撮影したものです。ただ、カワセミは長居はせず、すぐに居場所を替えてしまうことが多いので、なんとか撮影できた時はうれしい限りです。
スタッフ記憶箱シリーズ②
三方湖の野鳥、今回は「カワウ」です。
全長80cm以上、体重2kg以上、翼を広げると翼長130cm以上ある大型の鳥で全身ほとんど黒色です。繁殖時期には顔に白い羽毛が生えますが、個体によって生え方には差があります。くちばしの付け根は黄色く丸みがあります。
日本野鳥の会の資料によると、1970年代には3000羽以下まで減った時期もあるそうです。その後公害規制により河川の水質が向上して餌になる魚が増え、現在では15万羽以上に増えているそうです。増えすぎると地域固有の環境に影響が出たり、農林水産業被害が深刻化したりします。その結果として、2007年には狩猟鳥となっています。また、樹上で集団で営巣する特徴があります。
次の2枚の写真は、三方五湖自然観察棟の望遠鏡を通して撮影したものです。焦点が合いにくくややぼやけた写真になっていますが、杭の上に留まっている様子が分かります。
杭に留まっているときのカワウは、次のどちらかです。
・翼をたたんで休息している
・風を浴びながら翼を広げ小刻みに震わせて乾かしている
(水に潜って魚を捕食するため翼の油分が少ない。そのため翼はあまり水をはじかずずぶ濡れになる。)
また、三方湖では、魚を捕食するためにカワウが潜る姿はまず見られません。三方湖は水深が浅くほとんど濁っています。カワウは河川まで飛んで行って新鮮な魚を捕食しているのです。カワウを眺めていると、その仕草や顔つきに見入ってしまいます。どことなく心惹かれるカワウです。
そんなカワウですが、飛び立つときには水面を脚で蹴って助走し、まるで飛行機が滑走路を飛び立つときのようです。やはり大型の部類に入る鳥なのです。
新型コロナウィルス感染症が世界規模で広がり、私たちの生活様式や働き方が大きな影響を受けています。コロナへの関心とともに、環境問題に関する関心も高まっています。
それは、おそらく人間がさまざまな行為や活動を積み重ねた結果が、命に関わる問題につながっているからではないでしょうか。SDGsに関し積極的行動を始める人も増えているようです。
さて、さとけん日記も工夫改善を意識しなければ、と思います。これまでうっかり気づかず見過ごしてきたものに今一度意識を振り向けてみます。
今回は「カルガモ」です。
野鳥図鑑を紐解けば詳しい説明がされているので、日々眺めてきた筆者の記憶箱から思い出せるものを取り出してみます。
・湖面にいるときは水に隠れて見えないが、足は鮮やかなオレンジ色。
・全体にこげ茶色だが、翼の中でも左右の脇の翼(翼鏡:よくきょう)は青色で美しい。
・留鳥(1年中見られる鳥)だが、エサや繁殖の関係からか多くは冬に南下してくる。
求愛期を経て春には北上する。
・求愛行動は一定のパターンがあるので、次第に分かってくる。
・真冬で北西季節風が強いときは、群れ全体が頭を風上に向け波間で揺れ続ける。
水中で足を動かして続け、寒さをものともしない。
・冬の陽だまりでは桟橋や岸辺の石に上り、首を縮め体をふくらませて暖をとる。
・観光地のカルガモと違い、誰も餌をやらないので人からは常に一定の距離を保つ。
・そっと近づいても写真のように一斉に飛び立ってしまう。
・産卵場所は水辺の草むらなどが多いようだが、まだお目にかかっていません。
・水草のような植物や小魚、昆虫を餌とする。
・田植え時には田んぼで餌をとる姿がよく見られる。
・田んぼは穂が伸びると姿を隠しやすく、雛を育てるには都合がよいようだ。
人間よりはずっと短い寿命(平均で5~10年程度)ですが、いつも見ていると可愛らしく、また健気に感じられてきます。多くの皆さんに三方の湖にカルガモを見に来ていただきたいと思います。
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2019年3月1日 オオバン |
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