福井県里山里海湖研究所

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里山里海湖研究所の所員が、日々体験したこと、感じたことを綴っていくブログです。
  • トピックス

    12月1日が悪天候のため、晴れ間が見える2日の午後から「たたき網漁」が始まりました。
    「たたき網漁」は、冬場、湖の水温が下がり動きが少なくなったコイやフナなどを、水面を竹竿で叩いて驚かせ、仕掛けた刺し網に追い込んで捕らえる伝統漁法です。
    今年はまだ湖水の温度が高くて魚が活発に動くので、船外機の音で逃げてしまい、初日の今日はあまり多くは捕れなかったようでした。
    陸に上がって、捕れた40cmほどのフナを、漁師さんが手早く刺身にしてくださいました。
    一口味見をさせていただきましたが、泥臭さもなく、さっぱりした味でおいしくいただきました。

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    ところで三方五湖自然観察棟にある水槽では、三方湖に生息するコイやフナを展示しています。この水槽でも最近、水温が下がった影響でコイとフナが仲良く一か所に集まり、じっとしている様子がうかがえます。なるほど、湖の中でこの状態でいるところをたたいて驚かされているんですね。

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    そんな生き物たちや漁法について解説させていただきますので、ぜひ、自然観察棟にお越しください。これからは水鳥もたくさんやってきますよ。

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  • スタッフ記憶箱シリーズ⑤ オオバンです。

     オオバンはクイナ科に分類されますが、クイナ科の中では大きく太っている鳥です。体も翼も黒く、額からくちばしまで白いのが特徴です。川や湖の上を首を前後に動かしながら進んでいく姿に、ほのぼのとしたものを感じます。

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     他の水鳥と同じように群れを作りますが、単独行動でえさとりもします。水に潜って水草や昆虫をとることができます。また、写真のように岸に上がって水際のコケをくちばしでこすり取って食べたりもします。

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     繁殖地は北日本、北東アジアからシベリアまでと広いですが、東日本以西では周年生息している場所も少なくありません。

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     ところで、オオバンの趾(あしゆび)には特徴があります。それぞれの趾から葉のように膜が広がっているのです。カモなどの趾に見られる水かきは、指と指の付け根に膜が張っています。オオバンは指の各関節の横から膜が広がっているのです。オオバンやカイツブリの仲間に特徴的で弁足と呼ばれます。
       

     



     

  • トピックス

     師走に入りました。渡り鳥も少しずつ数が増えてきています。
     
     さて、12月1日に、三方五湖自然観察棟へカメラ取材が入りました。ご存じの方も多いと思いますが、あのFBC「ふれあい若狭」の取材です。
     ちょうど朝からマガモの群れが飛来していて湖面は久しぶりの大賑わいです。カモたちもテレビに出たがっているのかな・・・
      
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     リポーターさんと撮影スタッフの皆さんもカモを見て和んでくださいました。マガモ、カルガモ、オオバン、カンムリカイツブリなどを見つけて歓声をあげておられました。どんどん熱中していき、まだ飛来数の少ないホシハジロやオナガガモも見つけて感激してくださいました。
     可愛いカモを見ていると時のたつのを忘れがちになります。今回も撮影終了後もずっと水鳥たちを見ておられました。

     放映は来年1月9日の予定だそうです。

  • トピックス

    新採用職員の研究事務員 石田です。
    11月25日、石井研究員とともに、三方五湖自然再生協議会環境に優しい農法部会の活動として、田んぼの土壌調査を行いました。
    調査の目的は、再生協議会の部会で、環境に優しい農法に認定した田んぼにおいてその土壌断面を観測調査し、根の張りやすさや保水力、透水性、酸素の通りやすさ等の評価を行うことです。
    地下の様子は目に見えませんが、一般的に田んぼなどの人間活動に影響を受けた土壌や森林など長年にわたって植生の影響を受けた土壌の断面には、いくつかの層が形成されるとのことです。
    調査方法は、まず調査対象の田んぼに穴を掘り、断面が観測できるようにします。
    本来は深さ1mまで掘るとのことですが、簡易に行うため作土を含めて50cm程度まで掘り、断面に現れた層の厚さや色、土の硬さ、土性等を判別していきました。色や土性の判別は経験が必要だそうで、今回の調査は、岩本昭夫氏の協力をいただきました。

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    (色の判別)           (硬度の調査)

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    (土性等の調査)

    全部で4か所の田んぼの土壌調査を行い、今後、詳細に結果を評価していく予定です。
    様々な環境で耕作された田んぼの土壌の現状を把握し、土壌環境の保全を通して「環境に優しい農法」の普及をめざしたいと思います。
     

  • スタッフ記憶箱シリーズ➃ アオサギです。

     日本のサギ科では最大級の大きさです。

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     頭部は白く、額の両側から眼の上を通って後頭までつながる黒色帯があります。後頭の羽毛は垂れ下がった冠羽になります。  
     陽の当たり具合によって印象は変わりますが、体は部分的にうすい青色がかった灰色が多く見られ、アオサギの名はその色合いに由来するといえるでしょう。
     
     首は長く、嘴は黄色。飛んでいるときにキャッ、グワーなどの声で鳴きます。餌にする生き物の関係から、水田・湿地・川・湖沼・干潟などによく降り立ちます。年間を通じて高木の上にコロニーを作って営巣するのが普通です。
     
     三方五湖でも、岸辺に降り立ち、集まってくる小魚の群れを長い首と嘴をうまく使って捕食する姿が見られます。
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  • 11月6日(土)に、若狭町鳥浜の縄文ロマンパークで特別企画「SATOYAMAいんぐりっしゅ」を開催しました。春に続いて2回目の開催です。今回、11月開催ということで天候が心配されましたが、11月としてはこれ以上ないぐらいの好天に恵まれました。

    最初に自己紹介です。自分の名前、年齢、好きな色や食べ物を話してもらいました。まだまだ恥ずかし気味な様子です。講師のヘイデンさんの自己紹介では、好きな食べ物はアメリカザリガニ、ワニなど、ワイルドな紹介をいただきました。
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    いざ、ロマンパークへ出発、目に入る色々なものをクイズを交えて英語を学びます。
    Q1タンポポを英語にするとある動物の名前が含まれています。それは何?
    ①ライオン ②イヌ ③サル
    Q2まつぼっくりの英語名が語源となった果物は何?
    ①バナナ ②パイナップル ③モモ
    Q3とんぼを英語にするとある空想の生き物の名前が含まれますがそれは何?
    ①かいじゅう ②モンスター ③ドラゴン
    (正解は最後に)
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    続いて、色のついたカードを配ってもらい、それと同じ色のものを探してくるゲームを通して色の名前を英語で学びます。カードの色と出来るだけよく似た色の葉っぱや枝を持ち寄ってもらうのですが、例えば「緑」と一言で言っても自然の中にある物の色はそれぞれ微妙に異なります。「黄緑」はイエローグリーン、赤とオレンジの中間色はレッドオレンジと、意外と直訳でOKのようです。
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    SATOYAMAいんぐりっしゅは自然の中で五感を活かしながら英語に触れる趣旨でしたが、そんなことはそっちのけ、気心が知れてくると元気いっぱいの子供たちはみんな虫取りに夢中です。虫取り網に虫かご持参の方もいらっしゃいました。
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    最後に、ロマンパーク内に落ちていたスダジイを炒って食べてもらいました。ほんのり甘く、もう一個、もう一個と食べる方もいらっしゃいました。
    今後も、縄文ロマンパーク周辺の施設を活かした企画を開催予定ですので皆様ご参加ください。
     

    クイズの答え
    Q1 ①ライオン(タンポポは英語でダンデライオン。葉っぱがライオンの歯に似ているから)  
    Q2 ②パイナップル(松ぼっくりは英語でパインコーン)  
    Q3 ③ドラゴン(トンボは英語でドラゴンフライ)
     

  • 10月23日(土)に里山あそび教室を開催しました!

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    まず、講師の萩原さん(NPO法人森林楽校・森んこ 代表)に今回のイベントの内容を説明いただきました。
    今回は、縄文ロマンパークで集めた落ち葉やドングリを使ってネイチャーゲームを行い、さらに焼き芋と交換など五感を使った自然体験を行います。

    それでは縄文ロマンパークの散策スタートです!
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    ドングリや綺麗な葉っぱなど、一生懸命集めていました!

    蛇の脱皮した皮を見つけていた子どもたちもいました。
    将来、お金持ちになるかも。。
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    ロマンパークの散策が終わり、次は縄文時代のお話を聞きます。
    講師はDOKIDOKI会の五十嵐さんです。
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    縄文時代の食文化についてお話をしていただきました。
    縄文時代は狩りや漁で食料を獲得していて、今の時代は便利になったなと思いました。

    最後に、集めたドングリと焼き芋の交換です!
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    あったかい焼き芋を縄文ロマンパーク内の竪穴住居でおいしそうに食べていました!
    寒い中食べるあったかい焼き芋は格別です!

    天候にも恵まれ、無事里山あそび教室が終了いたしました!
    五感を使って、たくさん自然に触れてもらい、この植物はこんな匂いがするんだ、耳をすますと色んな自然の音がするんだなど、日常で感じられないものを感じてもらえていたら、と思います。

  •  10月です。年縞博物館、縄文博物館の駐車場沿いに植えられているカツラの木から、いい香りがしてきました。みなさん、どんな香りか分かりますか?
     カツラの木は日本全国で見られる落葉樹で、葉はハート型、樹高も高く、庭木としても人気があります。
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     秋になり葉がしおれてくると、何と”キャラメル”や”綿あめ”に近い香りがするのです。落葉がまとまって積もっているところから甘い香りが漂い、何ともうれしい気分になります。個人的な意見ですが、この香りを何かに活かせないのでしょうか。
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     こんなにまとまって植えられている通りはそうそう無いのでは?と思いますので、皆さん、香りを楽しむことを兼ねて、年縞博物館や縄文博物館、縄文ロマンパークに来てみませんか。香りは11月ぐらいまで楽しめますよ。 

  • スタッフ記憶箱シリーズ③

     三方湖畔で観察できる野鳥の中でも人気があるのがカワセミです。カワセミは、頭から背中にかけて鮮やかなコバルトブルーの羽毛を持ち、全長20㎝に満たない大きさですが、長いくちばしをもっています。
     水辺の低い木や杭の上にとまって湖面に小魚が近づくのを待ち、タイミングよく水中に飛び込んで魚を捕えます。そして、すぐさま身をひるがえして元の居場所に戻ります。その野性的な動きは、見ている人の目をくぎ付けにします。
     三方湖畔ではいつも出会えるわけではありませんが、運よく出会えたときにはちょっとした感動を味わえる鳥です。

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     三方五湖自然観察棟の下には鳥浜漁協の船揚げ場と桟橋がありますが、この写真はその桟橋の手すりにとまっているところです。

     あとの写真も桟橋の杭の上と、すぐそばの木の枝にとまったところを撮影したものです。ただ、カワセミは長居はせず、すぐに居場所を替えてしまうことが多いので、なんとか撮影できた時はうれしい限りです。
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  • トピックス

    9月22日(水)に三方小学校が学校田で取り組む環境に優しい農法の認証審査会を行いました。

    環境にやさしい農法認証制度とは、農薬や化学肥料の利用を少なくする、もしくは使用しない、さらに、生き物や自然環境に配慮する取り組みが行われていることを条件とした三方五湖自然再生協議会の制度です。
    例年、三方小学校の学校田(ゆりかご田)でつくられるお米はこの認証を受けています。
    今年も無事認証されるのでしょうか?

    まず三方小の子どもたちによる「ゆりかご田」の活動発表会です。
    これをもって認証されるかどうかを決めるということで、
    子どもたちはドキドキしている様子でした。

    子どもたちの発表はすごく上手で感銘をうけました。
    ゆりかご田でお米ができるまでの道のりやコイ・フナの育成、生き物調査の結果など非常にレベルの高い発表でした。

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    発表が終わり、次は認証するかどうかの審査結果の発表です・・・


    見事、ゆりかご田は環境に優しい農法に認証されました。


    これまで、本当に頑張って活動してきたので、涙を流していた子どもも見受けられました。
    嬉しい限りです。

    認証状の授与を行います。
    子どもたち一人ひとりに認証状が渡されました。

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    そして、認証を受けた特典として贈られる環境に優しい農法ののぼり、認証シール、パンフレット、米袋もあわせて授与させていただきました。

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    最後に、長橋部会長代理による総評が行われました。
    子どもたちの発表、ゆりかご田での取り組み等に対する賞賛のコメントでいっぱいでした。

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    これで、認証式終了になります。
    これからもゆりかご田での活動に期待です。
    すこしでも地域の自然環境について関心をもってくれたらいいなと思います。
     


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