福井県里山里海湖研究所

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2021年7月
    • 花粉と種子
    ニガウリ花粉.JPG
    これはゴーヤー(ツルレイシ、ヘチマと同じウリ科の植物)の花粉です。比較的大きくて、肉眼でも粉のように見えます。
    種子(たね)をつくる多くの草木は、おしべの先端にある葯(やく)の中に花粉があります。マツやスギも種子でふえる(マツの種子は松かさの中にあります)ので花粉をつくりますが、種子をつくらないワラビやゼンマイなどは花粉もつくりません。
     
    • 花粉の運ばれ方

     ♪チョウチョ、チョウチョ、ナノハにとまれ の菜の葉(キャベツやアブラナなど)の花粉は、チョウなどの昆虫が花の付け根にある蜜線の蜜を吸いに来たときに、虫の身体に着いてめしべに運ばれます。
    一方、そのようなしくみを持たないスギの雄花にある花粉は、別の枝にある雌花まで風に飛ばされて運ばれます。風まかせの運び方なので、その分大量に飛んで私たちに花粉症を引き起こしたりします。
     
    • 花粉の形

    マツ花粉.JPG  New黒松の花-時期-特徴(樹木ペディアより).jpg
    上の図はマツの花粉と雄花です。マツもスギと同様に花粉は風に運ばれます。
    マツの花粉には左右に空気袋がついていて、風に飛ばされやすくなっています。
    花粉が運ばれやすくなるしくみは、虫が花粉を運ぶ花にも見られます。
     
    マーガレット花粉.jpg  Newマーガレット花.JPG
    この図はマーガレットの花粉と花です。花粉の形はギザギザになっていて、蜜を吸いにやって来る虫のからだにくっつきやすくなっています。
     
     
    • 花粉を見てみよう

    顕微鏡.jpg
    このように自然観察棟では、身近な草木約30種類の花粉を、顕微鏡のスクリーンで見ることができます。学校では花粉を、ヘチマは小学5年の夏に、マツは中学1年の春にそれぞれ学習します。予習や復習を兼ねて気軽に見に来てみませんか?また、「花粉症の原因を目で見たい」と思われる方もぜひどうぞ。
    さらに「この花の花粉が見たい」と思われる方は、咲いている花の部分2~3本を1種類ずつ古封筒などに入れて持ってきてもらえると、比較的大きな花粉ならセロテープに花粉をつけて顕微鏡で見ることができます。顕微鏡スクリーンの映像を自分のカメラで撮って、夏休みの自由研究に使うこともできそうです。事前に電話で連絡をいただけると、相談員が調整して対応しますので気軽に来てみてください。(℡ 0770-45-3581)

     

     

  •  スタッフ記憶箱シリーズ②
     三方湖の野鳥、今回は「カワウ」です。

     全長80cm以上、体重2kg以上、翼を広げると翼長130cm以上ある大型の鳥で全身ほとんど黒色です。繁殖時期には顔に白い羽毛が生えますが、個体によって生え方には差があります。くちばしの付け根は黄色く丸みがあります。
     日本野鳥の会の資料によると、1970年代には3000羽以下まで減った時期もあるそうです。その後公害規制により河川の水質が向上して餌になる魚が増え、現在では15万羽以上に増えているそうです。増えすぎると地域固有の環境に影響が出たり、農林水産業被害が深刻化したりします。その結果として、2007年には狩猟鳥となっています。また、樹上で集団で営巣する特徴があります。

          2021.7.12.6.jpg

     次の2枚の写真は、三方五湖自然観察棟の望遠鏡を通して撮影したものです。焦点が合いにくくややぼやけた写真になっていますが、杭の上に留まっている様子が分かります。
     2121.7.12.7.jpg 2021.7.12.5.jpg
     杭に留まっているときのカワウは、次のどちらかです。
      ・翼をたたんで休息している
      ・風を浴びながら翼を広げ小刻みに震わせて乾かしている
       (水に潜って魚を捕食するため翼の油分が少ない。そのため翼はあまり水をはじかずずぶ濡れになる。)
     また、三方湖では、魚を捕食するためにカワウが潜る姿はまず見られません。三方湖は水深が浅くほとんど濁っています。カワウは河川まで飛んで行って新鮮な魚を捕食しているのです。カワウを眺めていると、その仕草や顔つきに見入ってしまいます。どことなく心惹かれるカワウです。
     
     そんなカワウですが、飛び立つときには水面を脚で蹴って助走し、まるで飛行機が滑走路を飛び立つときのようです。やはり大型の部類に入る鳥なのです。
     


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