これはゴーヤー(ツルレイシ、ヘチマと同じウリ科の植物)の花粉です。比較的大きくて、肉眼でも粉のように見えます。
種子(たね)をつくる多くの草木は、おしべの先端にある葯(やく)の中に花粉があります。マツやスギも種子でふえる(マツの種子は松かさの中にあります)ので花粉をつくりますが、種子をつくらないワラビやゼンマイなどは花粉もつくりません。
♪チョウチョ、チョウチョ、ナノハにとまれ の菜の葉(キャベツやアブラナなど)の花粉は、チョウなどの昆虫が花の付け根にある蜜線の蜜を吸いに来たときに、虫の身体に着いてめしべに運ばれます。
一方、そのようなしくみを持たないスギの雄花にある花粉は、別の枝にある雌花まで風に飛ばされて運ばれます。風まかせの運び方なので、その分大量に飛んで私たちに花粉症を引き起こしたりします。
上の図はマツの花粉と雄花です。マツもスギと同様に花粉は風に運ばれます。
マツの花粉には左右に空気袋がついていて、風に飛ばされやすくなっています。
花粉が運ばれやすくなるしくみは、虫が花粉を運ぶ花にも見られます。
この図はマーガレットの花粉と花です。花粉の形はギザギザになっていて、蜜を吸いにやって来る虫のからだにくっつきやすくなっています。
このように自然観察棟では、身近な草木約30種類の花粉を、顕微鏡のスクリーンで見ることができます。学校では花粉を、ヘチマは小学5年の夏に、マツは中学1年の春にそれぞれ学習します。予習や復習を兼ねて気軽に見に来てみませんか?また、「花粉症の原因を目で見たい」と思われる方もぜひどうぞ。
さらに「この花の花粉が見たい」と思われる方は、咲いている花の部分2~3本を1種類ずつ古封筒などに入れて持ってきてもらえると、比較的大きな花粉ならセロテープに花粉をつけて顕微鏡で見ることができます。顕微鏡スクリーンの映像を自分のカメラで撮って、夏休みの自由研究に使うこともできそうです。事前に電話で連絡をいただけると、相談員が調整して対応しますので気軽に来てみてください。(℡ 0770-45-3581)