福井県里山里海湖研究所

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石井 潤 の論文
研究活動の紹介(保全生態)

(1)北潟湖の自然再生に向けた過去から現在までの植生の変遷と要因の検討


 北潟湖は、福井県の北側、あわら市の海岸近くにある汽水~淡水の湖です。福井県内では水月湖、三方湖に次いで3番目に大きく、水鳥や魚類をはじめとした生き物豊かな生態系が成立しています。人々は古くより湖の畔に住み漁業や農業を営み、湖から恵みを得て暮らしてきました。

 ところが、近年、水質の悪化、水草をはじめとする湖の植生の減少・消失、ブルーギルなど外来生物による在来生物相への影響など、湖の生物多様性と生態系の衰退が懸念され、漁業においては漁獲量が減少するなど、湖と人の暮らしとの関係にも影響が及んでいます。

 北潟湖では、2014年3月に「北潟湖自然再生に関する協議会」が設立され、地域住民が参加し将来世代に続く湖の利用方法を議論し実践的に活動する、自然再生の取り組みが始まりました。現在、協議会では、湖の自然再生の目標と具体的な取り組みを定めた「全体構想」の策定が課題となっています。

 本研究では、全体構想の目標の検討のために必要な基礎情報として、過去から現在までの植生の変遷を把握し、その要因を検討します。過去と現在で植生は同じなのか、同じでないならばその理由は何か、これらの問いに答えることによって、自然再生の目標と課題を整理することができます。過去から現在までに撮影された空中写真の分析や、現地での植生調査、博物館などに保管されている植物標本の調査、湖の近くで暮らしてきた方々にお話を伺うなど、様々な方法を用いて問題に迫ります。

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人の暮らしとともにある北潟湖

 

 

(2)里山森林域の生態系の防災・減災機能を高める保全手法の検討

 
 自然は、人の暮らしに役立つ様々な機能をもっており、その結果として、私たちに多様な恵みをもたらしてくれます。たとえば、里山の森林は、木材を提供したり、大雨が降ったときに一時的に水を貯めて洪水を起こりにくくしたり、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の吸収源であったり、山菜の採集や狩猟の場であったり、レクリエーションなど遊びの場として利用されます。

 このような森林がもつ機能として、近年注目されているものの1つが、土砂災害の防止や被害を抑制する機能です。ある場所で森林が維持されていると、草原となっている場合に比べて土砂崩れが起きにくいことが示されています。同じ森林でも、植生の種類や管理方法によって、その能力に違いがあるかもしません。

 福井県は、森林面積が31万3千 haに及び、森林をどのように保全・管理し、利用していくのかを検討することは重要な課題の1つとなります。そこで、本研究では、里山の森林の生物多様性を保全し、防災や減災につながる機能を高めるための管理の方法を検討します。


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土砂崩れが起こった里山の森林
 

 

 

 


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