福井県里山里海湖研究所

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2018年03月のコラム
  • 石井 潤
     近年、全国各地の湖沼において、浮葉植物であるヒシ属植物Trapa L.の分布面積が著しく増加し、生物多様性や生態系サービスの利用において負の影響を及ぼしているという理由から、その対策が課題になっている事例が多く見られます。
     自然再生推進法に基づく法定協議会である三方五湖自然再生協議会が、自然再生の取組みを行っている三方五湖においても、その1つ三方湖においてヒシTrapa japonica Flerovが2008年以降急速に分布拡大し、その対策が課題となっています。そこで、三方五湖自然再生協議会外来生物等対策部会では、2016年にヒシの管理方針を定めた「三方五湖自然再生事業 三方湖ヒシ対策ガイドライン」(4.9 MB)を作成しました。
     一般的に、ヒシ属植物の対策として、その場所における根絶または低密度化に向けた刈取りが行われます。刈取りの方法としては、植物体を手で引き上げたり道具を使って引き上げる“手刈り”や、水草刈取り船を使った“機械刈り”が用いられています。また、漁業者が自分の船舶に自作した水草刈取り機を装着して刈取りを行っている事例もあります。
     三方五湖自然再生協議会外来生物等対策部会では、2015年から、地元の漁協である鳥浜漁業協同組合の提案により、ヒシの刈取り方法の1つとして、“ワイヤー刈り”を試行してきました。福井県里山里海湖研究所では、2016年に、ヒシの生活史を考慮したワイヤー刈りによる刈取り方法の効果を検証するための実験を行い、その有効性を確認しました。
     そこで、ヒシ対策に取組んでいる現場で役立てられるように、ワイヤー刈りによるヒシの刈取り方法を解説したマニュアルを作成し、公開することとしました。また、ワイヤー刈りによるヒシの刈取り方法の具体的な手順などを紹介する動画を作成しましたので、併せて公開いたします。
     
     『浮葉植物ヒシのワイヤー刈りマニュアル』3.3 MB
     

    ~(動画) 浮葉植物ヒシのワイヤー刈りによる刈取り方法~
     
     ワイヤー刈りによるヒシの刈取り方法を動画でご紹介します。各タイトルをクリックすると、YouTubeにアップロードした動画をご覧いただけます。
     操船者は、鳥浜漁業協同組合の元組合長である増井増一氏です。ヒシの刈取りに使用している小型船舶は、増井氏所有のものです。(2)と(3)の動画は船上で撮影しており、画面が大きく揺れている箇所があるので、ご注意下さい。
     
    (1)ワイヤー刈り装備の水中への導入(14秒)
     (説明)ワイヤー刈り装備をどのように水中に導入しているかを動画でご紹介します。
     【撮影日:2016年9月】
     
    (2)ワイヤー刈り装備によるヒシの刈り取り(54秒)
     (説明)ワイヤー刈り装備を使ってどのようにヒシの刈取りが行われているかを動画でご紹介します。ワイヤーで刈取られたヒシの浮葉が、水中に沈んで見えなくなるのが分かります。動画の後半部分では、ヒシが多量に引っかかったために、ワイヤーが浮力で浮き上がってくる様子が確認できます。
     【撮影日:2017年6月】
     
    (3)ワイヤー刈り装備に引っかかったヒシの除去(2分8秒)
     (説明)ワイヤー刈りによるヒシの刈り取り作業中、ワイヤー刈り装備に引っかかったヒシをどのように除去しているかを動画でご紹介します。動画の後半部分で、ワイヤー刈り装備の一部である鉄棒が曲がっているのが映っていますが、これはヒシの刈取り作業中に障害物に引っかかったときに曲がったものです。多少曲がっていても、刈取り作業は問題なく実施できています。むしろ多少曲がっている方が、最後に、鉄棒とワイヤーをヒシを外しながら船の上に引き上げるときに、作業がしやすいかもしれません。
     【撮影日:2017年6月】
     
    (4)9月に作業を行った事例(2分3秒)
     (説明)ワイヤー刈りは、5~6月に行うことが推奨されますが、それ以外の時期でも実施可能です。この動画では、9月に作業を行った事例をご紹介します。
     【撮影日:2016年9月】

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