福井県里山里海湖研究所

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ふくいまる里フォーラム報告

これまでの「ふくいまる里フォーラム」報告

 ※前回開催(2017年3月25日(土))の案内はこちら

2017年3月25日(土)開催
 ふくい里フォーラムポスター(805 kb)
 『プログラム&発表要旨集』1.74 MB

 『フォーラム概要報告』0.6 MB

~当日の議論とアンケートでの意見の内容~

(1)議論(質疑応答を含む)
・内田圭先生(東京大学)
 ■生物多様性は経済的に評価可能か?
 [回答]貨幣価値のみならず、何らかの数値として示す方法が様々な研究によって現在考えられているところである。
 ■生物多様性に関する予算措置が取られにくいのは、経済的な評価が難しいことが一因ではないか?
 [回答]その可能性が大きいと考えられる。生物多様性の経済的評価は難しいが、生態系サービス(たとえば、水田を例に挙げると、お米の生産量に加えて、窒素の固定量、洪水防止に資する貯水可能量など)を数値で示し、併記することは重要だろう。
 ■生態系サービスの1つとして、景観の美しさも含まれるだろう。
 [回答]同感である。
 ■私達は自然観察会を行っているが、本日の発表から生物の調査の大切さを感じた。実際に調査を行うとしたら、誰にお願いできるか?
 [回答]生物の調査に大きな予算が配分されている都道府県は限られていると考えられる。一方、研究者が調査にどれだけの時間をかけられるかが重要だろう。また、研究者のみならず、地域の識者の方々にお願いできるよう調整するのも重要であろう。
 
・中村亮研究員(福井県里山里海湖研究所)
 ■北潟(あわら市)の地域において、北潟湖のフナを食べる人が少なくなってきた理由は何と考えられるか?簡潔に答えてください。
[回答]要因はいろいろとあると思うが、一つ挙げるなら、現在の北潟湖のイメージが、水がきれいでフナを食べていた昔と比べて悪くなったことが一因と考えられる。一時期、水が汚れていたころのフナを食べた世代が、悪いイメージをもち続けているのでは。しかし実際には、今は水もきれいになり、フナもおいしい。
 
・野村みゆき氏(越前市エコビレッジ交流センター)
 ■活性化の方向性を誤ると、外来種を導入してしまう場合がある。また、効率性を求めると、水路が3面コンクリートになってしまう場合がある。
 ■人それぞれに価値観の違いがあるため、それらをどのようにまとめていくかが大きな課題である。
 
・西野ひかる氏(一般社団法人うみから)
 ■アマモ場再生に取り組んだ高校生は、小浜湾のどのような現状に気づいたのか?
 [回答]小浜湾の外海と比較して内海の自然環境は良いとは言えない状態にある。高校生たちは、ダイビングで潜った外海の景観と比較して、自分達の高校の前にある内海の現状を知った。また、アマモ場再生に取り組む中で、より深く理解するようになった。私達、大人にとっては、子どもの頃海で遊んでいた昔の記憶と比較して、現在の自然環境の悪化に気づかされた。大人たちは、海で遊ばなくなり、また海から遠ざかっていたため問題に気づかなかったが、高校生たちに気づかされた。大人たちが海から遠ざかっていたのは、小浜湾では砂浜や遠浅の海が少なくなり、海水浴場が減少していることも一因だと考えられる。
 
・全体討論
 ■活動を進めるにあたり、どのような活動をすればよいか、また、人、物、金に関することをはじめとして、アドバイスをくれる機関(相談できるところ)がない。そこで、フォーラムなどに参加して勉強するが、限界がある。そこで、横のつながりを強化し、アドバイスをもらえる制度または組織を作って欲しい。
 [回答1]研究者の役割として、研究以外に、問題を整理し提示するということも重要であり、そのような研究者が増えることを願っている。福井県立大学では、すでに活躍されている先生も少なくない。また、このフォーラムに、県内外の研究者がもっと参加し、新たな連携が生まれたり、地域の取り組みを後押しする研究者がでてくることを期待したい。さらに、市民と研究者が課題解決に向けて知恵を出し合うという姿勢が大事だと考えられる。研究者の役割として、余所者としての視点で現場を見ることができる長所も強調したい。
 [回答2]このフォーラムが、活動を進める際の相談の場となれば良い。また、フォーラムの中でそのような相談の窓口を作り、市民と行政や研究者とをつなぐ役割を果たせば、これらの活動の推進につながると考えられる。
 ■ある場所で芝生が造成されたが、その後、湿地のような状態に変化した。このような湿地で保全活動をしないで良いのかどうかを教えて欲しい。
 [回答]まず、現地の自然環境の状況を教えて欲しい。最近は、身の回りの自然を見る機会が減り、人知れず自然環境が変化している場合がある。このように身近な自然の変化に気づくことは、とても重要だと考えられる。
 ■福井の豊かな自然を都会にPRすることが重要だと考えられる。
 ■坂井平野のある水田地帯で、排水路のコンクリート化の工事が行われた。このような中で、どのように自然環境の保全を進めていけば良いか、アドバイスが欲しい。
 ■研究者には、市民の活動にヒントを与えて欲しい。
 ■国や県が里山をどうしたいのかを示して欲しい。また、地元も、自分達がどのように守っていくのかを考える必要がある。なぜなら、ビオトープを造成する助成金はあっても、その継続的な維持管理は地元の活動次第である。
 
(2)意見・感想(アンケート用紙から)
 ■発表者が今回紹介した活動について、その活動内容を継続した結果の報告を、数年後に聞ける機会を作って欲しい。
 ■現在は生物多様性に関しても関心度がうすいので、小中学生から「自然の環境」教育が必要と思われます。
 ■研究者が生物の調査を行うとき、市民と協働で行うやり方もあるのではないか。
 ■里山里海湖ビジネスの創出の可能性を探る。
 ■観光・環境・健康と医・職・住を融合した取り組みを行う。
 ■専門家の自然に関する知見と、「いろいろな里山里海湖の実践と研究」での足元の小さなフィールドに目を向けて色々な活動をされている実践例に、感銘しました。
 ■一人一人の力は小さいものですが、まず自分の足元の自然に目を向け、まず一歩ずつでも前に向けて活動をしていくことが大事だと思いました。
 ■広い範囲で圃場整備を行う場合、同時にいくつかのビオトープを作ることができれば、環境保全に寄与すると思う。
 ■寒ブナ漁の文化について面白かったので、他の文化も知りたい。
 ■生物の基礎調査の結果報告の情報が、今後の保全において重要だと思うので、より力を入れて欲しい。
 ■参加団体や参加研究者をもっと増やして情報交換したい。
 ■専門家のみならず、活動団体の参加を望む。
 ■活動団体には、アンケートを実施し(苦労・楽しみ)、その解決を目指す。
 ■近い将来は、連携の組織化を目的とする。
 ■福井県の自然の調査をもっともっと進めて欲しい。
 ■地域住民と里地・里山・里海活動は参考になった。これからどの様に進めるのか議論をしたらどうですか。
 ■福井の自然に関する神話や言い伝えの話を聞きたい(保全のゴールを決めるヒントになる)。
 ■福井に永年住んで来たが、今回の研究や調査結果の報告から、新しい知見が得ることが出来た。
 ■レッドデータブックについてはよく知るところですが、福井県内のことについては十分に知ることは少なかったが今回の発表で知ることが出来ました。
 ■生物多様性の変化と災害ハザードの関係についての発表は新しい考え方だと思ったが、やや難しい分析であったように思った。
 ■生物文化多様性という言葉について初めて知った。
 ■農業基盤整備と親水景観の荒廃が如何に自然の多様性を失うかということで、残念であった。しかし、これからの多様性の再生については、排水溝や溜池を中心とした親水デザインを構築する必要があるとのことであった。







 

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