福井県里山里海湖研究所

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里山里海湖研究所の所員が、日々体験したこと、感じたことを綴っていくブログです。
  •  暑い夏を迎えました。学校は夏休み中ですが、働き方改革もあって、有意義な休暇を計画している人も多いことでしょう。

     さて、三方五湖周辺の「夏の景色」をいくつか紹介しましょう。

         (三方湖)                (水月湖)
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     7月下旬のある日、三方湖が茶色く濁っていたので、水月湖はどうかと思い出かけてみました。水はきれいに空の青を映して、いつもと変わらず美しい色をしていました。
     川から運ばれた砂や石は三方湖には溜まりますが、水月湖には大きな川が入りません。その違いをはっきり教えてくれました。

     その水月湖の湖底には、シマシマ模様の堆積物が45mも積み重なっています。「年縞」と呼ばれる縞模様です。「福井県年縞博物館」ではその展示を見ることができます。入り口にはヤブランが薄紫色の花を咲かせています。

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     三方湖は、ヒシ刈りの終わった湖面に対岸の山並みを映しています。湖畔ではコブシが早くも実を赤く色づけ始めました。
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     シモツケのピンク色も緑の中に鮮やかです。ふと目を樹木に向けると、コナラが小さい小さい実をつけ始めていました。三方五湖の周辺を(暑さ対策をしっかりとして)歩いてみるのはいかがでしょう。
     自然に目を向けるだけでも、日ごろのストレスをきっと軽くしてくれるのではないでしょうか。
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  •  7月3日は「波の日」「渚の日」でもあるそうです。真夏が近づいたわけですが、西日本をはじめとして大雨災害が心配されています。福井県も油断はできませんね。

     さて、この頃の三方湖畔の景色や生き物の様子です。
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     ヒシが三方湖全体に大きく広がりました。ヒシ狩り舟で刈り取られた湖面は山が逆さに映っているのでよく分かりますね。

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     オニグルミは幹によりけりですが、実をふくらませているものも見られます。数は少なめですが、ヒョウモンチョウにも出会えます。

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     このモンシロチョウは白が鮮やかでした。花から花へと蜜を求めて飛び回っていました。空中を舞っているトンボを撮影しようとも試みましたが、やっとこの写真だけ撮ることができました。スマートフォンでは難しいことがよく分かりました。

     沖縄はそろそろ梅雨明け。県内の海水浴場からは、浜掃除のニュースが届きます。湿度が高めの毎日、暑さ対策に気を付けましょう。
     
       

  • 展示・体験
    令和元年6月22日(土)に里山里海湖体験講座 「ウメ博士になろう!」を開催しました。
    心地よい天気のなか、8組の親子に参加いただきました。

    講師は、里山里海湖研究所のふるさと研究員、山本仁さんです。
    山本さんの案内のもと、集合場所から梅園へ歩きます。
    梅園のまわりを囲んでサンゴジュがたくさん植えられています。
    梅の木を風から守るために農家の方が植えていると教えていただきました。

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    梅園に到着し、まずは、山本さんからウメについてのお話をしていただきました。
    若狭町では、福井県のウメの7割以上を生産していること。
    生産されているウメの種類が 紅サシ、剣先、新平太夫、福太夫 の4種類あること。
    4種類、それぞれの特長や、利用方法について。
    今日の会場の梅園は、福太夫が栽培されていること。
    完熟ウメは果実がきれいな黄色になり、桃のようないい香りがすること。
    お話の間にも、完熟ウメが梅の木からポトリポトリと落ちていました。
    皆は興味津々でお話を聞いていました。

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    いよいよ、お楽しみの完熟ウメの収穫です。
    子ども達は広い梅園を歩き回って、完熟ウメを拾ったり、枝に生っているウメをもいだり、袋いっぱいに集めていました。

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    重い袋を抱えて、梅加工体験施設へ向かいます。
    最初に、青ウメで作ったシロップと、完熟ウメで作ったシロップを飲み比べました。
    青ウメは爽やかな味で、完熟ウメは香りがよく、味わい深いなど、いろいろな意見が出ていました。

    皆で収穫したばかりの完熟ウメを使って、シロップを作ります。
    ウメのヘタを取り、丁寧に穴をあけて、砂糖と交互に容器に入れます。
    小さい子も一生懸命に作っていました。
    完熟ウメで作ったジャムの試食もありました。
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    参加者の方からは、梅をたくさんもぐことができて楽しかった、若狭町のウメ栽培のことがとてもよく分かった、などの御意見をいただきました。



     
  •  暦の上では6月11日が「入梅」ですが、今年の北陸地方の梅雨入りは6月7日ごろと発表されました。この季節の三方湖畔の草木や生き物の様子を紹介します。
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        ガクアジサイと飛び回るクマバチ         アジサイ群落に咲いたシモツケの花

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        一片だけ開花したネムノキ          今年は個体数の少ないオオイトトンボ

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       よく似ていますが、モンシロチョウとモンキチョウです。

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                   ベニシジミ

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               三方湖に広がり始めたヒシとヒシ刈り舟

     ヒシは湖の自然環境や漁業をはじめとする人の暮らしに良い影響も悪い影響ももたらすそうです。小型船舶に取り付けたワイヤーでヒシを刈り取り、ヒシの「低密度管理」を目指しています。
     
     
       

  •  5月も半ばを迎え、日中は暑さを感じる日も増えてきました。
     昼が長くなり気温も上がってきましたから、里山・里海湖の緑も日々深みを増していきます。

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     三方湖に鰣川(はすがわ)が入り込むところに葦原があります。新緑がぐんぐん伸びて、枯れた茎葉が隠れていきます。化粧直しというところでしょうか。水田では、サギがえさ探しに励んでいます。

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     湖畔ではクルミの花が赤く咲き出しています。アジサイの中には、小さいながらも花の形を整えながら成長しているものも。

     天気のよい日は、からりとした暑さ、吹く風も心地よいこの頃です。湖畔を散策するならこの季節もお勧めです。
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  •  三方湖近辺の春景色(その2)、4月11日に撮ったものです。

     まずは、縄文ロマンパークに最も近い山の三角点へ登ってみました。標高99.7m、ほぼ100mあるとのことです。樹々の間からわずかに里の景色が垣間見えました。
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     縄文ロマンパーク横の道路は新緑が始まったばかり。淡い緑が美しく、サクラもきれいです。
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     ハス川と三方湖。それに続く年縞博物館も青空の下にスラリと長く伸びて、なかなかに美しい。
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     博物館の屋根越しに「三方観音」の桜も遠望できました。風は冷たいものの、目に映る多くのものに春の訪れを感じる三方湖近辺です。
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  •  新元号が「令和」と定められました。平成31年も残すところ二十日あまりとなりました。昭和は遠くなるばかりですね。 
     ところで、季節が廻ってきました。4月に入って桜が開花し、野に山に彩りを添えています。三方湖畔もキラキラと輝き始めたようです。
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          タンポポです。                           コブシの花です。
          さくら.jpg 桜は二分咲き程度です。

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       山桜が色を重ねています。                アオサギも舞っています。

     春景色美しい三方五湖へぜひ足を運んでみてください。小さな発見や感動がきっと得られると思います。あなたの心がリフレッシュできることをお約束します。
     

  • 三方湖の野鳥
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    2019年3月29日 カンムリカイツブリ

    カンムリカイツブリも夏羽になり、名前が示すように頭部が「冠状」の個体が増えてきました。
    さあ今年は三方五湖で繁殖するでしょうか。楽しみです。
    この地で冬を越したジョウビタキやアオジがまだいる一方、湖面をツバメやイワツバメが南の方からやってきて飛び交っています。
    繁殖地に去っていく鳥たち、繁殖にやって来た鳥たちが交差するこの時期、「三方五湖の野鳥」も一旦終了となります。3年間お世話になりました。

    確認種:ヒドリガモ・マガモ・カルガモ・オナガガモ・コガモ・ホシハジロ・キンクロハジロ・カイツブリ・カンムリカイツブリ・カワウ・アオサギ・ダイサギ・オオバン・セグロカモメ・キアシセグロカモメ※・カモメ・ミサゴ・トビ・モズ・ハシボソガラス・ヤマガラ・シジュウカラ・ヒヨドリ・ウグイス・ジョウビタキ・イソヒヨドリ・セグロセキレイ・アオジ・ツバメ・イワツバメ・モズ・スズメ ※黄色脚のセグロカモメ類

     

  • 3月24日(日)、小浜市飯盛寺の里山整備に参加してきました。

    最初に“走る副住職”こと杉本成範副住職の案内で、国重要文化財の本堂と、特別公開されていた千手観音を拝観させていただきました。

    整備作業のほうは、大阪や京都からの参加者3名(副住職のトレイル仲間だそうです。)とともに、本日の作業内容の相談を行いました。飯盛山登山に来られた方の最初の印象をよくしたいとの意見から、まず登山道入り口付近を整えることにしました。既存の道の一部がぬかるんでいたため、排水をよくするとともに、不要な竹を切り倒し、少しルートを変更しました。

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    お昼は温かいトン汁と、お寺で採れた梅干し入りおにぎりをいただきました。全国でのトレイルの話で盛り上がったほか、生えすぎてしまった孟宗竹をどうすると有効活用できるのか、アイデアが欲しいと相談に乗っていただきました(なかなか答えは見つかりません)。

    さて、午後からは作業スピードがアップ。県外組はどんどん竹を切っていきます。さとけん職員2名は腐りかけた古い竹を切り倒し。見た目が少しでも美しくなるよう整理整頓をしました。「渓流のこの辺りに橋があるといいね。」ということで、将来的には間伐した木材を有効活用して人が渡れる橋を設置することを夢見て、作業を終了しました。

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  • 展示・体験
    2月23日(土)に里山里海湖体験講座の第一弾、 「薪ストーブを囲もう!あったかブックトーク」を開催しました。
    とてもよい天気でしたが、夕方はやはり寒く、薪ストーブがとても暖かく感じます。

    最初に、参加者の皆様で焼き芋の仕込みをしました。
    薪ストーブの上に「石焼き芋用」の鍋を置き、薪ストーブの中で焼いた芋と味比べをしてもらいます。
    ブックトークが終わった後に、ほくほくの焼き芋が出来上がる予定です。

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    いよいよ ブックトーク「里のとり、山のとり」が始まります。
    まずは、里のとりの代表、「オオハクチョウ」のお話です。
    オオハクチョウは、、体長が130㎝以上あり、参加してくれた子どもより大きいこと、日本には越冬のために飛来すること。
    福井県にはあまり飛来しないけれど、三方湖の周辺で、冬も水を張っておく「冬みず田んぼ」を実施したところ、数羽越冬したこと。

    次に、山のとりの代表「イヌワシ」のお話です。
    イヌワシは、日本に500羽しかいないこと、福井県に、以前は10組のペアがいたが、減ってしまって5組になったこと。
    その原因は、森林伐採、スギなどの大規模な植林により、生息地の環境が変化してしまい、イヌワシの食物となるノウサギやヤマドリが減ってしまったからであること。

    参加者は、質問に答えたり、本を見て皆で考えたり、真剣にお話を聞いていました。楽しい中にもたくさんの学びがあったようです。
    出来上がった焼き芋の味比べも楽しみました。

    〔紹介した本:

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福井県里山里海湖研究所

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