若狭町主催の第5回若狭町歴史環境講座として、当研究所長の進士五十八氏による講演会が、「ふるさとの景観づくり」をテーマにレピアホールで開催されました。
当日は、寒波襲来で足元の悪い中、100名以上の方々が町内外から参加され、環境学や造園学そして景観づくりの権威である、進士所長のユーモアを交えた話に聞き入っていました。
ランドスケープをめぐる「多様性」、「特質性」、「総合性」の議論を、若狭のまちづくり実践へのアドバイスとして、各地の事例を交えながら講演いただきました。
講演の大部分は、風景づくりや景観の見方など、学問的な視点をかみ砕いた説明で、幅広い観点から解説され、特に「自然景観はモザイクな方がより良いこと」や「人の姿勢や目の位置で物を見る目が変わり、感じ方が変わること」、そして「これからの観光は”見る”から”味わう”時代になる」など、示唆に富む興味深いお話をお聞きしました。
また、若狭町の取り組む景観行政について、例えば「背山臨水」の要素が大切で、若狭町にはその要素が既に備わっていることから、その宝を生かした町づくりが市民参加型で行われることが大切であるとされました。
この講座では、若狭町のゾーン別の植栽による景観づくりのプランの一例が紹介されましたが、このことにより、参加者の景観づくりへの認識が一層高まる機会となりました。